「AIを使って何かしたい」から始めると、便利なツールを試すこと自体が目的になりがちです。DiluNovaが大切にしているのは、先に「いつまでに、どこまで行くか」を決め、そのためのロードマップをつくる進め方です。

期限と到達点があれば、今やることと後でよいことを分けられます。一方で、現場で試す前から方法をすべて決め切る必要はありません。目標を共有し、途中で分かったことに合わせて手段を見直します。

この記事では、この考え方を自社のAI導入に使うための手順を紹介します。

最初に決めるのは、ツールより「仕事がどう変わるか」

「生成AIを導入する」「社員全員にアカウントを配る」は、実施する作業です。その先にどんな変化を求めるのかまで言葉にします。

例えば、週報作成の負担を減らしたい場合。「AIで週報を作れるようにする」だけでは、出力を直す時間が増えても成功に見えてしまいます。「担当者が必要事項を確認し、期限までに週報を出せる。確認・修正を含む作業時間も減っている」とすれば、確認することが具体的になります。

目標には、次の四つを入れます。

  • 対象:誰の、どの仕事を変えるのか。
  • 期限:いつの時点で達成状況を判断するのか。
  • 到達点:何ができていれば、進んだといえるのか。
  • 条件:品質、確認手順、費用など、守りたいことは何か。

時間短縮だけを追う必要はありません。探している資料にたどり着ける、担当者が交代しても同じ手順で処理できる、といった目標も考えられます。自社が困っていることに合う目標を選びます。

現在地が分からなければ、測るところを最初の目標にする

「何時間減らせるか分からない」という段階でも進められます。まず、現在の作業時間、件数、修正の理由を記録する期間を設けます。担当者の感覚だけで決めず、普段の仕事をいくつか見て確かめます。

同時に、使う資料はそろっているか、社内の誰が確認するか、情報を外部のサービスに入力してよいかも確認します。ツールを使い始める前に整理が必要なら、その準備も計画に含めます。

現状の記録がない段階で「必ず半分になる」と置くより、「最初の二週間で現状と試す範囲を整理し、改善目標を合意する」と置く方が、次の行動を決めやすくなります。

ロードマップには、作業と「次へ進める条件」を書く

ロードマップは、期限までに行うことを段階に分けた計画です。「検討・開発・導入」という見出しだけでは、各段階が終わったか判断しにくくなります。

各段階に、担当者、確認する日、残すもの、次へ進む条件を添えます。例えば「試作する」で終わらず、「担当者が普段の作業例で試し、不足する項目と修正時間を記録する」まで書きます。

全社展開を目指していても、最初から全員へ広げる必要はありません。一つの業務や少人数で確かめる段階を挟み、結果を見て次の範囲を決めます。小さく試すことも、到達点へ向かう計画の一部です。

例:八週間で、週報づくりの運用を判断する

以下は考え方を示す架空の計画です。DiluNovaの納期や成果を保証するものではありません。対象の業務、資料、体制によって必要な期間は変わります。

この例の到達点は「八週目に、週報作成で継続利用するかを、品質と作業負担の記録をもとに判断できる状態」です。初めから利用拡大を前提にはしません。

一〜二週目:現在の作業と目標をそろえる

業務担当者が現在の作成・確認時間を記録し、支援担当者と一緒に必要項目や資料を整理します。責任者は使ってよい情報の範囲を確認します。二週目に、試す対象、改善の目安、確認者を合意できれば、試作へ進みます。

三〜四週目:試作を、実際に近い例で確認する

支援担当者が下書きをつくる方法を準備し、業務担当者が通常の例と判断に迷いやすい例で試します。必要項目の抜けや誤り、修正にかかった時間を記録します。人がどこを確認するか決まらない場合は、対象を狭めて再確認します。

五〜六週目:少人数で普段の仕事に取り入れる

決めた範囲で使い、担当者が確認・修正したうえで週報を完成させます。使う前と後の作業負担を比べ、うまくいかなかった例も残します。支援担当者は、指示文だけでなく資料や手順の改善も検討します。

七〜八週目:続け方を決める

責任者と担当者が記録を見て、継続する、範囲を変えて試す、利用を見送る、のいずれかを決めます。継続する場合は、手順、確認項目、困ったときの対応先を残します。判断材料が足りなければ、何を追加で確かめるかと次の判断日を決めます。

計画を変えるときは、何を変えたかも共有する

資料の不足が分かったら、試作より先に資料を整理する。現場の確認負担が大きければ、全自動ではなく下書きだけに絞る。こうした変更は、進捗の遅れとして片づけず、到達点に近づくために必要かを考えます。

ただし、目標や期限が知らないうちに変わる状態は避けます。方法の変更で済むのか、対象範囲や到達点も変えるのかを分けて話し合い、責任者の合意を残します。

  • 何が分かったか。
  • 当初の目標や期限に、どんな影響があるか。
  • 何を変え、何を維持するか。
  • 誰が対応し、次にいつ判断するか。

定例の打ち合わせでも、活動の報告に加えて「今、到達点のどこまで来ているか」を確認します。打ち合わせを続けていることと、仕事が改善していることを混同しないためです。

最初の打ち合わせに使える、目標と計画のメモ

次の項目を書き出すと、社内や支援会社との認識をそろえやすくなります。分からない欄は、調べる担当と日付を決めれば構いません。

  • 対象業務と、今困っていること:
  • いつまでに、どんな状態を目指すか:
  • 達成を判断する記録・数値・確認方法:
  • 守る品質・情報の扱い・費用の条件:
  • 最初に試す範囲と担当者:
  • 途中の確認日と、その日に判断すること:
  • 継続・変更・終了を判断する責任者:

DiluNovaのAI導入・伴走支援では、この「いつまでに、どこまで」を一緒に整理し、実行と振り返りにつなげます。目標がまだ曖昧な段階からでも、現在の仕事を伺いながら具体化します。

支援内容の全体像はAI伴走支援とは?、ご相談の流れはAI導入・伴走支援をご覧ください。

この記事の発信者DiluNova株式会社

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